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『クモ男の復讐』(原題:Earth vs. the Spider)(2001)#🎞️🍿

サム・ライミ版『スパイダーマン』(2002)のモックバスターかと思いきや制作されたのはこちらの方が先という、B級映画愛好家から妙な愛され方をしている蜘蛛ホラー映画(厳密にはテレビ映画)
でも期待値高めで見たら肩透かしを喰らった。蜘蛛人間の造形の気合いの入り方だけ100点(なぜなら監督が『遊星からの物体X』(1982)『ターミネーター2 』(1991)などで特殊メイクを手がけ、アカデミー賞を4度受賞した伝説のSFXアーティストのスタン・ウィンストンなので)
言いにくいけどサム・ライミが貸せ!蜘蛛スリラーホラーはこうやるんだよ!とメガホンを奪い取ってくれたら5000倍面白い映画になったと思う

主人公のクエンティンはコミックヒーロー『The Arachnid Avenger』の熱狂的なファン。超人的な能力を持ち人々を悪から守る蜘蛛人間のヒーローに憧れを抱いているが、性格は内気で頼りなく、アパートの隣人ステファニーとの関係もなかなか進展しない。そんなある日、彼が警備員を務める生科学研究所を強盗が襲撃、警備員仲間のニックが命を落としてしまう。
相棒を救えなかった無力感、周囲からの謂れなき咎め、警官の横暴な振る舞い…怒りに燃えるクエンティンは、生物兵器開発の実験によって抽出されたタランチュラ由来の血清を自ら注射するのであった。
とここまでの流れは大体スパイダーマンの亜種。しかし蜘蛛のスーパーパワーを得たクエンティンは次第におぞましい姿に変容していき、自我すらも蜘蛛の本能に飲み込まれていく。という感じで作品のテイストもスパイダーマンから『ザ・フライ』(1986)に変容していく。
本作の根底にあるのはマチズモ批判。肉体的な強さにではなく、己の弱さに打ち勝つ精神にこそヒーロー性が宿るという話だと思われる(作中の悪役もいかにも「男性性」というキャラクターが配置されている)
そういったテーマは悪くないのに全体で見るとあまり面白くない
何より登場人物の言動に一貫性を感じないのが致命的に良くない

映画の制作背景について。
本作はAIP(B級映画専門の米国映画配給製作会社)制作の『吸血原子蜘蛛』(原題:Earth vs. the Spider)(1958)のリメイク作品である。
といってもタイトルだけ借りて中身はまったくの別物、監督のウィンストンが創設したスタン・ウィンストン・プロダクションズによるAIP映画のテレビ映画リメイクシリーズの1作であるとのこと。
1958年版はAIPを設立したサミュエル・Z・アーコフがバート・I・ゴードンに撮らせた作品で、2001年版もアーコフとその息子がプロデューサーを務めている。
(ちなみに2001年の「Creature Features」というテレビ映画シリーズ。リメイクされたのは『海獣の霊を呼ぶ女』(原題:The She-Creature)(1956)、『吸血原子蜘蛛』(1958)、『How to Make a Monster』(1958)、『原子怪獣と裸女』(原題:The Day the World Ended)(1955)、『恐怖の獣人』(原題:Teenage Caveman)(1958)の5作品)
タイトルと内容が乖離しているのはそういう理由である。邦題『クモ男の復讐』はこの映画に登場する架空のヒーローコミック『アラクニッド・アベンジャー』から来ているが、こちらの方が映画の主題に馴染んでいる。
ちなみにラストに蜘蛛人間クエンティンのフィギュアが登場するのは、スタン・ウィンストン・プロダクションズがCreature Featuresシリーズのクリーチャーフィギュアの販売を企画していたからだろう。商魂。
「Earth vs. the Spider figure」で検索すると実際に販売したものが見られるが、今見ても異常にクオリティが高い。やはりウィンストン直々の監修が入ってるのだろうか?
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